オリエンテーリングギア語り~管理人編~

ちょっと前、Twitterでこんなことをつぶやいているのをキャッチした。
個人的にはこういう話がものすごく大好きで、だからこうやってブログを開設していちいちギアに対する熱意を書き込んでいるわけで、これは俺も負けていられないということで、取りあえず、自分もこうやって自分の大好きなギア語りをしようかと思う。
今回は、自分がこれまでに使ってきたオリエンテーリングのギアについて、その変遷を書いて、自分がどういうことに注目してオリエンテーリングのギアを選択していたかを、客観視してみようという、自己反省的な企画でございます。
ご興味がある方はご覧ください。
※この記事は現在鋭意製作中、GETLOST本誌に載る予定のを先行公開しています。



①シューズ編

私がオリエンテーリングを始めたのは今からちょうど5年前くらい、2014年の4月6日である。厳密にいえば、ロゲイニングには高校から参加していたから、ナヴィゲーションスポーツというくくりではもう少し前になるのだが、オリエンテーリングに限定すればこの年である。
トレイルランニングシューズはオリエンテーリングをやる以前から所持していたので、それでオリエンテーリングできるだろーとなめていた。しかし、新館で言った日光例幣使街道で、沼にはまり、オリエンテーリング用のシューズの必要性を痛感した。
(その時はいていたのはASICSのGEL-FUJI RACERというシューズで、今は少数となったが、靴の裏に通気のためのメッシュ素材が用いられていた。最近は裏にメッシュなどの水を通すようなデザインのトレイルランニングシューズはほとんどない)
で、靴の購入を決めたわけであるが、何分大学一年生、金がない。そこでたまたま渋谷のB&Dで、カラーチェンジのためにセールとなっていたのが、オリエンテーリングシューズの超ド定番のINOV-8の「X-TALON212」だった。確か8000円くらいで買った覚えがある。
カラーは初代のころの、黄色のやつだ。(下)
X-TALON212。ソールの形状が今と違ったり、ほどけやすい丸い紐だったり、マイナーチェンジ前のもの。
http://mag.onyourmark.jp/2017/02/markgearrunrbrg201702/101152より)


今更X-TALONの良さを語ったところで、新しいことは特に何もないし、みんなも知っているだろうからあまり面白くはないのだが、X-TALONの良いところは何といってもそのグリップ力の高さと靴の軽さを両立していたことである。粘り気のある、アスファルトを走るとペタペタするようなソールは、柔らかい泥の斜面では強烈な力を発揮する。(濡れている岩や倒木には歯が立たないが)
大学1年生の春から、1年の春インカレまではずっとこのX-TALON212一足でこなしてきた。
軽いのはいいのだが、やはり耐久性はいまいちで、オリエンテーリングをやりこんでいると半年から一年でもう靴は寿命となってしまうのがいたたまれないところではある。
個人的には1年のころは猪突猛進なオリエンテーリングをしていたわけで、非常に足をひねっていた。特に踏み込み捻挫をよくしており、していた原因の一つはこの靴にあるのかな~なんて多くの靴を履いてきたので何となく感じる最近である。
とはいっても、ぬれても重くならないし、とてもオリエンテーリング向きの良いくつであることには変わりのないことである。

2年の春に、上記の靴がだめになってしまったので、新しい靴を仕入れようとなって購入したのが、これはもう廃盤となってしまっているのだが、これまたINOV-8の「MUDROC290」(下)である。
MUDROC290 今のINOV-8とは全く違う、武骨で重くて頑丈な靴。
http://runtrail.co.za/inov-8-mudroc-290/より)
最近のINOV-8は軽くて薄い靴が多くて、そういうイメージが強いが、少し前のINOV-8はMUDROCみたいなタフネスな靴もそれなりに作っていた。
これは阿闍梨でセールで買って、確か7000円くらいだった気がする。
MUDROCは非常に頑丈だった。やぶにも強いし、岩にも強いし、側面やつま先の補強も強い。重戦車みたいな靴で、悪路では非常に強く、X-TALONの紙加減に慣れていた私としては青天の霹靂。感動した。この靴を履いてから踏み込んだり足をひねったりする場面は減ったと感じた。
しかし、重くて頑丈なのはいいことばかりではなく、MUDROC最大の弱点は「水」で、ぬれると二倍くらい体感で靴が重くなるのだ。これには参った。
しかし、安定感は頼りになるので、結局これは履きつぶすまで2年くらい使った。ソールが固いので、アウトソールの削れもX-TALONより遅かったというのもあるが、コスパはよかった。

2年生の6月ごろ、たまたま高田馬場のカモシカスポーツに行ったとき、運命の出会いをした。これもまただが、INOV-8「MUDCLAW265」である。
MUDCLAW265 オリエンテーリングのピンなしなら、これが最高といえるくらい個人的な最高傑作。
MUDCLAW265は素晴らしいシューズだった。廃盤となってしまい、新しいMUDCLAWはもはやアッパーや側面の補強がオリエンテーリング向きではないので、もうオリエンテーリングでまともに使えるMUDCLAWは幻となってしまった。
何が素晴らしいかというと、グリップの良さと、安定感の両面がちょうどよい均衡となっていることである!!X-TALONほど軽くはないが、安定感があり、そしてグリップはX-TALONとほぼ変わらない!!これだ!!!!!
泥抜けの良さも素晴らしく、ほとんどソールに泥がたまることはなかった。アッパーの耐久性も申し分なく、同じMUDCLAWの名を冠するMUDCLAW300と比較した際にも、ドロップ4㎜から発揮されるナチュラルな接地感覚が自分にはドンピシャだった。
これは確か6500円。安いし、いい靴だし、あの時3足くらい買っておけばよかった。
結局、インカレみたいな大事なレースの時はこれを使い、練習とかではMUDROCを使うなどして、2足で2年間くらいは持たせた。

4年になって、ついに上記の2足が寿命を迎えてしまった。たまたま海外のオリエンテーリングサイトを見ていたら、面白そうなメーカーを見つけた。名前を「SALMING」というらしい。むむむ、オリエンテーリング用のシューズもあるらしい。日本にも店があるらしい!!ということで、完全に自分の興味だけで、日本で実績のないSALMING「ELEMENTS」を4年時に購入した。今もこれを使っている…が、そろそろ寿命…。
Elements ゲッコグリーンカラーは、日本では独特。人と被らない点が素晴らしい。
履き始めて2年たったが、これを使っている人を観測したことがない。
https://www.salming.com/en/running/men/shoes/trail/salming-elements-men/c-840/p-27252より)
安定感はMUDCLAW並みにあり、ソールの耐久性も2年使っても削り切れないくらいしっかりしている。
泥での地面のつかみ具合もINOV-8に負けず劣らずという感じで、悪い靴では全くないのに、日本ではどうしても広まらない。広まってほしいのになあ。
もし興味があったら、浮間舟渡に直営店があるので、行ってみるとよいだろう。
アッパーの強度はINOV-8に比べると若干弱かったり、水にぬれると重くなったりすることは改善点ではあるが……。でもやっぱり希少性が高いので、個人的にはSALMINGから今は離れられないようだ。

オリエンテーリングシューズはこんな感じなのだが、一方で、トレイルランニング用のシューズについては書き始めるときりがないので、今回は触れないでおく。

②コンパス編

コンパスはオリエンテーリングを始めてから一貫してSILVAのコンパスを使用している。
最初はType-3を使っていたのであるが、1年の5月の時点で転んでリングをたたき割ったので、これはいい機会ということで、オリエンテーリング用のコンパスを買うことにした。
その際に出会ったのが、SILVAの「6-JET」の右手用サムコンパスだった。
6-JET 今のRaceSjetの前身、針のデザインや持ち手の部分や厚みに違いがある。

購入の際にはMOSCOWのコンパスを先輩から見せてもらったりして参考としたが、周りの先輩のほとんどはMOSCOWのコンパスを使っていて、なんか嫌だったのと、同期の岡村がこれの左手用を使っていたのをみて、これの右にしよう!と思い6-JETにした。
SILVAの良いところは何といっても針の安定感である。走りながらでもぶれないし、針が太いので、少しのマップコンタクトの際でも、針が見にくいということが起きにくいことが非常に重宝した。
と、いっても、一年のへたくそな時にこのシルバが編み出したレインボウをまともに使いこなせているはずがなかったのではあるが…笑
大切にしていたこのコンパスは、最後、OMM2015嬬恋で紛失してしまった。悲しき別れだった。二度と忘れない…。

オリエンテーリングがへたくそなのをどうにかするためには、コンパスになるべく頼らない、整地を確実にできるオリエンテーリングを身につけたほうが良いというアドバイスをもらい、その実践のために買ったのがSILVAの「Micro Racer」というコンパス。
マイクロレーサー。廃盤。今はRa-Shinがその後継?
これを使ってオリエンテーリングに2年から3年の時は結構取り組んだ。整地の仕方などは、これを使って地形と自分が向いている向きを照合させて確かめるようになったことでだいぶできるようになった気がしているが、真偽のほどは定かではない。
とにかく軽いので、山登りするときや、ロゲイニングの時は今でもこれを使うことが多い。オリエンテーリングでも、スプリントも基本的にはこれで出走している。

なくしてしまった6JETの代わりに購入したのはSILVA「Race360Jet」。
Race360JET。Sと違い、リングを回せるモデル。
6JETから形状や針が大幅にアップデートされていて、サムリーディングや、読図をしやすくなったイメージがある。
買った当初はリングを回したい…!と思い、これを買い、リングを回していたのだが、最近はもはやめんどくさくて回していない。これがへたくそな要因なのかもしれない。
今のオリエンテーリングスタイルなら、もはやリングが回らなくても支障が全くない…。
Sのほうが今はいい気がしなくもないが、まだまだ壊れていないので、9000円を再び課金する気になっていないのが現状である。

③ウェア編

こう言っては驚かれるかもしれないが、ウェアにはあまりこだわりがない。スケスケパンツの下にはタイツは履かないこと、ソックスも必ずロングソックスを履くこと、レガースをつけること(今紛失中で失意)、アームカバーを夏でもなるべくつけて肌を露出させないこと、指ぬきグローブをつけること…くらいで、これがないとオリエンテーリングができない…!というものはほとんどない。
え、多い?確かに今羅列した条件でも確かに5つあったわ…笑。

しいて一番のこだわりがあることといえば、ヘッドバンド(チューブバンダナ)だろうか。
これはオリエンテーリングの時は必ず忘れない限りはしていて、種類も集めるのが好きなのでほかの人に比べれば豊富…だと思う。
バンダナをすると、しない時よりも熱がこもりやすくて、夏場は暑くてうざったいなーと思うのだが、それよりも目に汗が入ることのほうがめんどくさいので、両者を天秤にかけた際に、チューブバンダナをつけるという選択肢を選んでいる。
筆者のオリエンテーリング=バンダナというのが一部界隈では定着しているらしい…。
一番のお気に入りは、1年の春の追いコン?の時に先輩のわたこさんからもらったTRIMTEXのピンク色のチューブバンダナ。
このモデル、ピンクが良い。
https://www.o-ajari.com/news-blog/category/2013%E5%B9%B41%E6%9C%88-6%E6%9C%88/より)

トータスのトリムに合わせる際に、これが一番トータルコーディネート的に合うので、一番使用頻度が高いかもしれない。
最近はトレランの大会に出るときにオリエンティア感を出すために、阿闍梨オリジナルデザインのフラッグが入ってる例のチューブバンダナを使うことも多い。
汗が目に染みると非常に嫌な人は、ぜひヘッドバンドなり、チューブバンダナを試してみてほしい。個人的にはお勧め。
(初期はサンバイザーを使ってみたこともあるが、上の視界をものによってはさえぎるので、つばの長さは要確認)

あと、アンダーウェアを必ず着用している。いわゆる登山とかトレランで言うと「ドライレイヤー」というやつで、finetrackのスキンメッシュやMilletのドライナミックみたいなやつだ。
私個人が一番愛用しているのは、The North Faceのパラマウントシリーズ。
いろいろ試してみたが、これが一番汗抜け感がしっかりしているように思う。組成がポリプロピレン100パーセントなのはパラマウントくらい?
https://www.west-shop.co.jp/web/item.asp?id=240285&h=より
一時のドライレイヤーブームが過ぎて、TNFのパラマウントは手に入りにくくなってしまったのだが、この前、GWのファミリーセールで安く新しいパラマウントを購入することができて、筆者は歓喜した。いい買い物ができた。ほんとにうれしい。
アンダーを着ると、汗を吸ったシャツが肌に張り付いて気持ち悪いということがほとんどなくなる。これは快適。見た目はアレかもしれないが、ドライレイヤーの役割を果たせるアンダーは一度着ると手が離せなくなると筆者的には思う。ぜひ試してほしい。大体1枚3000~5000円の間でアンダーは買うことができる。

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これ以上はきりがなくなるので、この程度にとどめておきたい。
この前、インカレの会場でいろいろな方に自分のこだわりのあるギアについて聞いて回ってみた。
どの選手もギアに対してのこだわりは、意識の差はあっても持っていて、非常に面白かった。その模様については別の機会にご紹介させていただくが、選んだ理由が非常に参考となったというか、ためになった。
世の中には様々な「沼」が存在しているが、筆者はまだまだ、山ギアおよびオリエンテーリングギアの「沼」から抜け出せそうにない。
また、いろいろとギアを見て回っていきたい!!

おしまい

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